あの畳の匂いをもう一度かぎたくて

やっぱり日本人だからかな、最近「和風」というキーワードにやたら惹きつけられる私です。七五三とか、成人式とか、卒業式とか……若いうちは色々、和服着る機会もあったんですけどね、お茶も習ってたし。
だけど最近はめっきりそんなこともなく、ダラダラゴロゴロ、ジャージで寝転ぶ日々……。
あー、久しぶりに旅行でも行きたいなーと思って色々みたら、「着物レンタル」というのを見つけました。
きれいな着物を選んで、髪もちゃんとセットしてもらって、それで京都の町を散策とか……。
あ~、乙女ごころがくすぐられますね。
しかも、普通の着物だけでなく、舞妓さんとか十二単とか白拍子とか、いまは色んな着物が着られるみたいですね。
お金に余裕があったら、訪問着とか仕立ててね、普段着には結城紬、夏には薄物の白……。
つまみの細工の花かんざしにべっ甲のかんざし、銀の帯留め、ころんとしたした丸い巾着。
みんなみんなそろえて、毎日を自分の着物ですごせたら、どんな気分がするのかな。
だけどそんな贅沢、とてもとても今のお給料じゃ望めないからなあ。
ちょっと美術館に行くときとか、女友達に会うときとか、ときどきでもいいから、久しぶりに着物が着たいなあ。
わたしは成人式のときはピンク、卒業式のときは赤い着物を選んだんだけど、そろそろ30を迎えるから、そしたら渋い緑の着物レンタルでもしようかしら。
ずっとずっと、浴衣の着つけぐらいはできるようになりたいと思いながら、毎年毎年、何をするでもなく、ただ部屋の窓から花火を眺めるだけ……。
べつに今のこの生活に不満があるわけではないんだけど、なんとなく、どこか物足りないんですよね。
高校のときは楽しかったなあ。
毎週和室へ行って、正座してお菓子をいただいて、お茶を飲んで、文化祭では浴衣を着て、お客さまをもてなして……。
先生の指導は厳しかったけど、色々なことを教わったなあ。
そういう、なにか奥ゆかしいものが、「和」の習いごとや、和小物にはあるみたいで……そんなほっこりとした気持ちに、癒されてみたくなりますね。これって、私も年をとったってことなのかなあ。

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