最近よく聞くディスポ鍼について

ディスポ鍼とは一度だけ人の体に刺すことを目的とする治療鍼のことで、略さずに言うと『ディスポーサブル鍼』と言われます。
スポーツ選手が試合前の調節で鍼治療を受けていたり、女性モデルが美容鍼を受けていたりとずいぶん敷居が低くなった鍼治療ですが、従来の鍼治療で用いられていた使いまわしの鍼では、血液を介するB型肝炎やC型肝炎、AIDSなどのウイルス感染が懸念されていました。
今ではほとんどの鍼灸院でディスポ鍼が用いられています。

有名なメーカーはセイリン、ユニコ、アサヒなどで、主にステンレスで作られています。
感染症予防のために一度の使い切りを目的として作られているので、包装の際の滅菌も徹底されています。
エチレンオキサイドガス(EOG)という強力なガス滅菌で細菌・ウイルス・結核菌ありとあらゆる危険要因が取り除かれています。
鍼の種類も豊富で、様々な長さ・太さの鍼が出されています。顔に刺す美容鍼用の直径0.1mm・長さ1.5cmのものや、腰やおお尻に刺す用の0.3mm・9cmのものまで多種多様です。

変わったところでは通称『鍼パッチ』などとも呼ばれる、鍼をシールで固定した円皮鍼という鍼などもあります。
固定するといっても皮膚の表面を少し破る程度のほんの1mmくらいの長さのもので、刺したまま動けることが利点とされています。
こちらはまれに薬局でみかけることもあります。

古来中国から伝わる鍼治療ですが、現代の日本の技術ではミクロ技術を活かして鍼の先端をギリギリまで丸くした『痛くないディスポ鍼』なんてものも作られているそうです。

もしあなたが鍼治療を受ける時に血液感染が気になる場合は、ディスポ鍼を使っているかどうかを確認するといいかと思います。
ほとんどの治療院はディスポ鍼を導入していますが、場所によっては『金鍼』『銀鍼』などの使いまわしの鍼を高圧滅菌機で滅菌して使用していたりしますが、こちらの鍼にはステンレスのディスポでは出せない体への親和性がありますので、治療院を選ぶ際の指標にしてみるのもよいかと思います。

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